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飼料添加物への禁止薬物混入に係る調査結果と改善策

2019年07月06日 09時35分

飼料添加物「グリーンカル」に禁止薬物が混入していたことが判明し、多数の競走除外馬が発生した問題で、JRAは7月6日に記者会見を開き、調査結果と改善策を発表した。今回の調査では販売元の日本農産工業㈱(以下「農産工」)、小売店のJRAファシリティーズ㈱(以下「JRAF」)、検査機関の(公財)競走馬理化学研究所(以下「競理研」)の3団体から聞き取り調査が行われた。詳細は以下の通り。

【発生要因】
○原材料の製造ラインにおいてテオブロミンを含むカカオ豆副産物の粉塵が混入した
○農産工が、ロット毎の薬物検査について、JRAの定める「飼料添加物等の薬物検査実施要領」に従っていなかった
○JRAF及び競理研は、JRAの定める「飼料添加物等の薬物検査実施要領」に適合しない製品の流通を未然に防ぐ体制を十分に整えていなかった
○JRAが「農産工の薬物検査受検の状況」「競理研への薬物検査申請状況」「JRAF他小売店におけるロット番号の確認状況」について、正確な情報を有する体制がとれていなかった

【改善策】
(1)JRAの改善策
○JRAと競理研で薬物検査申請情報を常時共有し、同一製品の過去の申請履歴・検査結果から、「長期間同一ロット番号での申請がないかどうか」「直近の検査で薬物陽性となっていないかどうか」等をJRAが確認
○その結果、①不適当なロット管理が疑われる場合については管理方法を、②直近の検査で薬物陽性を示した製品についてはその検査以降に行った対策を、それぞれJRAが申請者に確認し、必要に応じて改善を要請
○JRA施設内に納品している小売店に対し、最新の検査結果を反映した全製品リストを随時提出させ、小売店の店舗、倉庫等への立入り検査を通じて、提出リストと製品との照合を行う
○JRAと競理研で薬物検査結果情報を速やかに共有し、陽性の飼料添加物等については、申請者に原因の調査と対策を要請
○「飼料添加物等の薬物検査実施要領」については関係者が間違った解釈をしないよう、より明確で理解しやすい文言に変更
○飼料添加物等の製造工程における禁止薬物混入リスクについて、飼料添加物等の販売元及び小売店に対して、再点検を要請

(2)JRAF・競理研・農産工の改善策
○JRAは調査結果を踏まえJRAF、競理研、農産工に対して以下の対応を要請する

JRAFに対し
○全社をあげて、飼料添加物等への禁止薬物混入の危険性、取扱い製品が公正競馬に与える影響等を強く認識し、再発防止に向けた取組みを徹底すること
○飼料添加物等の販売元からの納品時に、実際の製品と検査成績書(写)とのロット番号を確認する従来の体制に加え、厩舎への販売、納品時にも再度確認する
二重チェック体制の構築

競理研に対し
○薬物検査申請内容に疑義がある場合は、申請者に確認するとともに、確認内容を速やかにJRAと共有すること
○薬物検査の結果をJRAと速やかに共有し、陽性となった飼料添加物等については、JRAを通じて原因の調査と対策を要請すること

農産工に対し
○禁止薬物を含む植物等を飼料添加物等の製造ラインに近接させないなど、製品の品質管理を徹底すること
○JRAの定める「飼料添加物等の薬物検査実施要領」を遵守し、適切な検査手順で製品の販売前の検査を受検すること
○製品毎のロット番号について、同要領を遵守し、適切な番号管理を行うとともに、検査申請書及び製品にその番号を記載すること


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