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「黄疸について考える」JBBA講演会開催

JBBA日本軽種馬協会は3月1日、新ひだか町の静内ウエリントンホテルで、「馬の新生児溶血症(黄疸)について考える」と題した講演会を開催した。
同講演会はJBBAが2005年から実施している、競走馬生産振興事業の中の軽種馬経営高度化指導研修事業のひとつ。今回は黄疸検査の歴史・経過・現状を再認識し、今後の対応に役立てようと催された。
招かれた講師は4名。ハラマキファームクリニックの服巻滋之獣医は「新生児溶血症(黄疸)の問題について」、HBA日高軽種馬農協の寺田有獣医は「新生児黄疸検査の歴史と今後の対応について」、社台コーポレーションの加藤史樹獣医は「馬の輸血におけるユニバーサルドナーの確保について」、東京農業大学の横濱道成教授は「馬における血液型不適合による新生児黄疸症について」を演題にそれぞれ講演を行った。
その中で服巻獣医は、黄疸検査に携わった時代を振り返り、「当時は検査頭数が少なかったことに加え、発症率も検査の感度も低かった」と説明。そして治療法が確立された現在、「予防法を発見するより、早期発見に努めたほうが経済的では」と提案した。
続いて寺田獣医は検査法の変遷、陽性率、検査の経過などを解説。今後の対応として初乳摂取12~24時間後に採血し、仔馬の健康状態を調べるといったベビーチェックの実施を推奨した。また、加藤獣医は、不適合を起こす血液型の抗原を持っていないユニバーサルドナー(UD)を確保するための検査結果を検証。黄疸を発症した当歳馬への輸血に活用するなど、UDは輸血用血漿の作製や緊急時のための安全な血液ドナーとしての利用が期待できるとまとめた。最後に横濱教授は黄疸の予防検査について言及。抗ウマγグロブリンモノクローム抗体検査試薬を用いたクームス試験が有効とした。
黄疸は出産シーズンを迎えた生産者にとって見逃すことのできない重大な問題だけに、講演終了後には「黄疸になりやすい血統があるのか」といった質疑応答が活発に展開された。


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