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アイルランド生産界に再編の波、種付け料免税措置が撤廃に

約40年にわたって続けられたアイルランドの種付け料免税措置が今年7月末で終了となった。1969年から始められたこの措置は、当時規模の小さかったアイルランドの馬産を保護する目的で政府が導入したもの。軽種馬産業の振興を掲げた政策に後押しされたアイルランドでは、クールモアスタッドやムハンマド殿下のキルダンガンスタッドなど大牧場を中心に競馬産業が発展。米国、豪州に次ぐ世界第3位のサラブレッド大国(07年の生産頭数は約1万2600頭)となった。しかし、05年にEU行政執行機関にあたる欧州委員会がこの措置を公正な国際競争を阻害するものとみなして是正を勧告。アイルランド政府も動かざるを得なくなり、07年2月に免税措置の廃止が決定し、生産者(種牡馬所有者)に対して種付け料収入の12.5%を法人税として納めることが義務づけられた。新税制のもとでは、これまで不可能だった種牡馬購入代金の減価償却が可能になるなどの代替策が用意されているが、国内だけで22頭もの種牡馬を保有するクールモアスタッドでは膨大な税金の支払いによる大幅な減益が想定されており、一部種牡馬の再配置など、生産界再編につながる動きが活発化することが予測されている。


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