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「生産地の警戒すべき感染症」JRAシンポ開催(新ひだか)

JRAが主催する「第36回生産地における軽種馬疾病に関するシンポジウム」が7月17日、新ひだか町の静内ウエリントンホテルで開催された。
同シンポジウムは、新しい知識を吸収して、生産基盤の強化や強い馬づくりに役立ててもらおうと開催しているもの。36回目を迎えた今年は、「生産地で警戒すべき感染症―その現状と防疫対策―」をテーマに行われた。
日高家畜保健所の加藤一典氏、JRA競走馬総合研究所栃木支所の松村富夫氏を座長に迎えたシンポジウムでは、羽生英樹氏(同保健所)が「馬パラチフス」、帆保誠二氏(JRA同支所)が「腺疫」、辻村行司氏(JRA同支所)が「神経型ウマヘルペスウイルス1型感染症」について講演。それぞれの感染症に関する知見を発表した。
馬パラチフスは流産を主徴とする馬科動物の伝染病。羽生氏は昨年12月からの発生状況を説明し、その原因などを分析した。そして、馬パラチフスの侵入防止には「発生牧場・地域からの馬の導入の自粛」が重要とし、保菌馬の常在化を防ぐには「流産時に伝染病が否定されるまで流産馬を隔離し、流産胎子などを処理して、速やかに消毒すべき」と訴えた。
また、帆保氏は腺疫について「過去の伝染病と思われているが、現在でも存在し、感染の機会を窺っている」と警告。鼻汁やリンパの腫大が認められた時は、「まず最初に腺疫菌を疑い、馬のケアや衛生対策にあたるべき」とした。
このほか8人の講師が特別講演や一般講演などを実施。本誌で「競走馬の心技体」を連載中の平賀敦氏も座長を務め、講演後の質疑応答で意見を述べた。
シンポジウムには獣医師のみならず軽種馬生産者も多数出席。講師の説明に耳を傾けていた。


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