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急遽参戦のニューアプローチがV/英ダービー

現地時間6月7日、英エプソム競馬場でG1英ダービー(3歳牡牝、芝12F10Y、16頭)が行われ、昨年の欧最優秀2歳牡馬ニューアプローチ New Approach(牡3、愛J.ボルジャー厩舎、K.マニング騎手)が優勝した。勝ち時計は2分36秒50、馬場状態は Good(稍良)だった。
後方からレースを進めたニューアプローチは、直線も他馬に囲まれて苦しい位置に。しかし、次第に各馬の脚色がバラつき始めて隙間が生まれた。そこを縫うようにしてグイグイ伸び、ラチ沿いから抜け出して先頭に立った。
最後は外から鋭く伸びたG2ダンテSの覇者タータンベアラー Tartan Bearer との一騎打ち。これを半馬身抑え、見事ダービー馬の栄冠を勝ち取った。鞍上ケヴィン・マニング騎手の手綱捌きも光った一戦だった。
勝ったニューアプローチは父ガリレオ Galileo、母パークイクスプレス Park Express(母の父アホヌーラ Ahonoora)という血統の愛国産馬。98年の高松宮記念を制したシンコウフォレストIRE(愛で種牡馬、昨年7月に死亡)の半弟にあたる。
通算成績は8戦6勝。2歳時にG1・2勝を含む5戦5勝というパーフェクトな戦績を収めたが、今季初戦のG1英2000ギニー、続くG1愛2000ギニーはともにヘンリーザナヴィゲーター Henrythenavigator に屈し、2着に敗退していた。
管理するジム・ボルジャー師は、当初G1英ダービーをスキップし、G1愛ダービー(6/29、カラ、芝12F)へ向かうプランを持っていた。
レース間隔が詰まっていることもさることながら(G1英2000ギニーは5/3、G1愛2000ギニーは5/24のこと)、そもそもG1英2000ギニー前に「G1英ダービーは種牡馬入りした際にさほど強調できるタイトルではない。むしろ自分が勝ったことがないG1愛2000ギニーに万全で臨みたい」と、現地メディアに対して語っていたほど。
しかし、そのG1愛2000ギニーで敗戦。敗因は馬場が硬かったこと(状態は Firm、硬い良馬場)とし、同じカラ競馬場で行われるG1愛ダービーの回避を示唆。そして「馬場が Good(やや水分を含んだ良馬場)より軟らかければ出る」と、G1英ダービーの最終登録を済ませた。
レース後、この点についてボルジャー師は「本来取り消すつもりだったが、間違ってG1英ダービーの最終登録に残してしまったんだ。本当は恥ずかしい」と語っている。もちろん、この同師の言葉を額面通り受け取れないとする向きもある。
レース数日前にも、英国では一部のレースにしか認められていないリードポニーの許可を競馬場側に要求。一度は却下されそうになったが、直前に「安全のため」という理由で許可を取り付けている。
今回は何かと話題と議論の種を振りまいたボルジャー師だが、その管理馬であるニューアプローチの強さについては疑うべくもない。この後は予定通り(?)G1愛ダービーへ。ただし、馬場が Firm なら回避としている。
なお、逆に陣営が硬い馬場向きとして最終登録の直前でG1英ダービーを回避したヘンリーザナヴィゲーターは、6月17日のG1セントジェームズパレスS(アスコット、芝8F)出走が見込まれている。


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