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馬インフルエンザ感染、アローS種付休止

人気種牡馬を数多く繋養する有名種馬場である、新ひだか町のアロースタッドで4月15日、馬インフルエンザ感染馬が確認されたため、16日から18日までの3日間、繋養種牡馬の種付業務を休止する。
昨年夏、日本各地で馬インフルエンザが流行した際、同スタッドでは全馬へのワクチン接種や出入り車両の消毒など、予防対策を徹底。防疫に努めてきた。しかし今月14日、数頭に馬インフルエンザの症状が現れたため検査した結果、陽性反応を確認。感染拡大を防ぐため、種付シーズン最盛期での業務休止を決めた。さらに、感染馬の隔離や全馬房の消毒などを実施。18日に再検査を行い、今後の対応を決めるという。感染経路は調査中だが、同スタッド関係者は「馬インフルエンザに感染していたと思われる、現役を引退したばかりの繁殖(上がり馬)のウイルスを防ぎ切れなかったのでは」と推測している。
シーズン最盛期のこの時期は、多い日には一日30頭以上の繁殖が種付けに来場。種付けが重なった種牡馬は一日に3回以上の交配をすることもあり、3日間の閉鎖でも影響は大きい。馬産地では「こういうケースで種馬場が閉鎖されたことは記憶にない」と困惑気味。同スタッドの種牡馬の種付けを予定していた生産者は「ほかの種牡馬に配合変更するしかない」と頭を悩ませていた。
日高家畜衛生保健所によると、16日までに日高管内4町の4施設で、合計24頭の感染を確認。「万全の防疫体制をとっても、感染を100%防ぐのは不可能に近い。判明した後の対応が大事」と同スタッドがとった処置を評価していた。とはいえ、他の種馬場や生産牧場などにさらなる感染が広がる可能性もあり、関係者へ注意を呼び掛けている。
同スタッドは1982年に設立。以来、アンバーシャダイ、ホリスキーなど優秀な種牡馬を繋養し、日本競馬の発展に貢献してきた。現在はブライアンズタイム、タイキシャトルといった人気種牡馬24頭を繋養。日本を代表する種馬場として、昨年は920頭の種付頭数を記録し、国内で4番目に多くの牝馬を集めた。なお、見学は種付シーズン中のため、現在は行われていない。


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