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ファロン、八百長疑惑は無罪も薬物疑惑浮上

現地時間12月7日、レース結果を故意に左右したとされ、イギリスで裁判にかけられていたキアラン・ファロン騎手(42歳)に対し、証拠不十分のため無罪判決が下った。
しかし翌8日、8月に同騎手がフランスで騎乗した際のドーピングテスト検体が陽性反応を示したことが判明、現在は再検査待ちとなっており、再び疑惑の渦に巻き込まれることになった。
今回訴えられていたのは、ファロン騎手を含めた6名。6人の内訳はファロン騎手を含めたジョッキー3名と、賭事客3名。02年から04年にかけての27レースでわざと負けることにより、賭事客に利益を与えようと試みたという疑惑が持たれていた。
10月8日に裁判が開始。約2カ月間の審理が行われ、判決の行方は大いに注目を集めていた。
ロンドン中央刑事裁判所のジョン・フォーブス裁判官は、いずれも証拠不十分と判断。全員に無罪判決を言い渡した。
判決の直後、ファロン騎手はマスコミに「もちろんホッとした。判決に喜んでいる。しかし、同時に怒っている。証拠などあるはずもなかったのだから」と語った。
この判決を受け、イギリス競馬の免許部門を担うBHA(British Horseracing Authority)は、ファロン騎手を含めた3人の騎手に対し、英国内での騎乗を許可すると発表した。
しかし翌日、8月19日に仏ドーヴィル競馬場で行われたG1モルニ賞でマイボーイチャーリー Myboycharlie に騎乗した際の薬物検査の検体から陽性反応が出たことが明らかになった。
報道されるところでは、コカインを含む物質が検出されたとのこと。今回陽性反応を示したのは2つ提出した検体のうちの一つであるA検体で、現在はB検体の検査中。こちらも陽性となれば、いよいよ処分が下ることになる。
ファロン騎手は昨年もやはりフランスで薬物検査で引っかかり、6カ月の騎乗停止処分を受け、今年6月に復帰したばかり。復帰後も八百長疑惑により英国では騎乗停止。それに倣う国も多く、騎乗可能な国は限られていたため、フランス、アイルランドを中心に騎乗。今年のG1凱旋門賞では、斜行で物議を醸したものの、ディラントーマス Dylan Thomas を勝利に導いている。
今回陽性となれば、再度世界中で騎乗停止に。アイルランド、フランスでも騎乗は不可能になる。また、その期間も前回より長くなることが予想される。
ファロン騎手と専属契約を結んでいるクールモアグループは、今後も同騎手を主戦に据えるかどうかについて、薬物検査の結果が出なければ話はできないとしている。


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