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今週末は香港に注目!―その1

12月9日、香港国際競走4レースがシャティン競馬場で行われる。
G1ジャパンカップ出走が果たせずに急遽G1香港ヴァーズに矛先を向けたディラントーマス Dylan Thomas の走りには世界の注目が集まる。また、G1香港スプリントに出走予定の豪州年度代表馬ミスアンドレッティ Miss Andretti と、地元香港の新星セークリッドキングダム Sacred Kingdom の対決も見ものだ。
日本からはシャドウゲイト(牡5、美浦・加藤征弘厩舎)がメインのG1香港カップに、コンゴウリキシオーIRE(牡5、栗東・山内研二厩舎)がG1香港マイルにエントリー。今年も世界の競馬を締めくくるに相応しい熱戦が期待できそうだ。
なお、レースの模様はグリーンチャンネルで12月9日の16:45~18:30で衛星中継される。
<香港カップ>(カッコ内国名は調教地)
ヴェンジャンスオブレイン Vengeance of Rain(香港、セン7、父ザビール Zabeel)とヴィヴァパタカ Viva Pataca(香港、セン5、父マルジュ Marju)の対決に注目が集まる。優勢なのはヴィヴァパタカの方。ここまでヴェンジャンスオブレインとは5戦して3勝2敗。しかも、ここ2戦(G1クイーンエリザベス2世C、LG1香港チャンピオンズ&チャターC)は、どちらもヴィヴァパタカに軍配が上がっている。
しかし、その2戦のヴェンジャンスオブレインには、ドバイ遠征(G1ドバイシーマクラシック1着)の疲れもあったことも事実。昨シーズン香港年度代表馬の面子にかけても、ここは "Vengeance"(=復讐)を果たしたいところだ。
一方のヴィヴァパタカは前哨戦のLG2国際カップトライアルを快勝しており、来るべき対決に向けて不安材料はなし。ヴェンジャンスオブレインを返り討ちにする態勢は整っている。
ただし、この2頭のライバルを脅かす遠征馬にも注目。その筆頭格であるゴドルフィンのラモンティ Ramonti(UAE、牡5、父マルティノアロンゾ Martino Alonso)は、2頭をまとめてねじ伏せるだけの力量がある。昨年のG1香港マイル3着後、ゴドルフィンにトレードされてからの活躍は目覚しく、今年はG1サセックスSなどG1・3勝を挙げ、欧州ベストマイラーと呼ぶに相応しい戦績を残した。昨年とは一味違う。
日本馬シャドウゲイトにも期待できる。この馬の最大の武器は先行力。今回は少頭数(7頭前後の見込み)でペースが落ち着く可能性が高いだけに、G1シンガポール航空国際カップの再現もある。
<香港マイル>
G1ムーランドロンシャン賞でラモンティを下した3歳牝馬ダルジナ Darjina(仏、牝3、父ザミンダー Zamindar)の能力に疑いの余地はない。前走G1クイーンエリザベス2世S(殿り負け)の敗因は道悪。良馬場なら巻き返す。
6月にG1セントジェームズパレスSを制したエクセレントアート Excellent Art(愛、牡3、父ピヴォタル Pivotal)は、その後G1サセックスS、G1クイーンエリザベスII世S、そしてG1BCマイルと3戦続けて2着。ここで不完全燃焼からの脱却を賭けている。
もちろん、この欧州3歳牡牝それぞれのトップマイラーを相手にしても、日本馬コンゴウリキシオーIREのスピードは全くヒケを取るものではない。圧倒的な逃げ切り勝ちを演じたG2マイラーズカップの勝ち時計は1分32秒2のレコード。過去、G1香港マイルは1分33秒台で決着したことが1度だけ(昨年、1分33秒4)しかない。しかし、今年は地元の前哨戦LG2国際マイルトライアルがすでに1分33秒2という速い時計で決着していることから、どうやら馬場状態も向きそうだ。
ホームの利がある地元香港勢も魅力的。LG2国際マイルトライアルを制したグッドババUSA(香港、セン5、父リアファン Lear Fan)、2着のフローラルペガサス Floral Pegasus(香港、牡5、父フサイチペガサス Fusaichi Pegasus)、3着のジョイフルウィナーAUS(香港、セン7、父エルモキシー El Moxie)、そしてこの3頭をLG3シャティントロフィーでまとめて下しているダウンタウン Down Town(香港、セン5、父シーニック Scenic)らが有力だ。


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