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牝馬のKダービー馬ジェニュインリスク死亡

現時時間8月18日、1980年のG1ケンタッキーダービーを制し、同年の最優秀3歳牝馬に選出されたジェニュインリスク Genuine Risk が、米ヴァージニア州ニューステッドファームで急死した。31歳だった。
同ファームを所有するバート・ファイアストン氏(※)が現地メディアに語ったところによると、これまでジェニュインリスクは健康状態に問題もなく、18日朝も特に変わった様子はなかったが、放牧地で突然横たわり、何度か起き上がろうとした後に、そのまま眠るように息を引き取ったという。
1977年生まれのジェニュインリスクは父イクスクルーシヴネイティヴ Exclusive Native、母ヴァーテュアス Virtuous、母の父ギャラントマン Gallant Man という血統の米国産馬。G.W.ハンフリーJr.夫人の生産馬で、1歳時(1978年)にファシグティプトン社サマーイヤリングセールに上場され、ファイアストン夫妻が3万2000ドルで落札した。
現役時はルロイ・ジョリー厩舎に所属し、通算成績は2~4歳時15戦10勝。3歳(1980年)5月にG1ケンタッキーダービーを制した。牝馬のケンタッキーダービー制覇は、1915年のリグレット Regret 以来史上2頭目となる快挙だった(1988年にウィニングカラーズ Winning Colors が優勝。現在まで牝馬のケンタッキーダービー制覇はこの3例のみ)。
他にG1ラフィアンHも制しており、G1プリークネスSとG1ベルモントSでそれぞれ2着の実績もある。2冠がかかったG1プリークネスSでは、最終コーナーで勝ったコデックス Codex に外へ押し出され、さらにコデックス鞍上のA.コルデロJr.騎手の右ムチがジェニュインリスクの顔面にヒット。ジェニュインリスクのジャシント・ヴァスケス騎手はアピールを行ったが、裁決委員はこれを認めず、着順は変更されなかった。
生涯獲得賞金は64万6587ドル。1986年には“競馬名誉の殿堂”にも選出されている。
5歳時(1982年)からケンタッキー州スリーチムニーズファームで繁殖入りしたが、目を覆いたくなるような不受胎・流産続きで、初産駒ジェニュインリワード Genuine Reward(父ラーヒ Rahy)の誕生はなんと16歳時(1993年)のこと。19歳時(1996年)に2番仔カウントアワーブレッシング Count Our Blessing(父チーフホンチョ Chief Honcho)を産んだが、結局これが最後の産駒となった。なお、2頭とも不出走のまま引退している。
21歳時(1998年)にファイアストン夫妻所有のニューステッドファームに移動、23歳時(2000年)限りで恵まれなかった繁殖生活を退き、以後は功労馬として同ファームで余生を過ごしていた。
ファイアストン氏によると、亡骸は夫妻宅の側に埋葬され、その周りにはケンタッキーダービーの象徴であるバラの花が馬蹄形に植えられる(ケンタッキーダービー勝ち馬にはバラで作ったレイが掛けられる)予定という。
※他に1982年ジャパンC勝ち馬ハーフアイストUSAや、同3着の名牝エイプリルランIRE(G1ワシントンDC国際SなどG1・4勝)らを所有した80年代の北米を代表するオーナーブリーダー。


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