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香港国際競走結果-その3

G1香港ヴァーズ(芝2400m、3歳上、13頭)を制したのは3番人気のドクターディーノ Doctor Dino(牡5、仏R.ギブソン厩舎、O.ペリエ騎手)。勝ち時計は2分28秒2。1番人気の凱旋門賞馬ディラントーマス Dylan Thomas は7着に惨敗した。
注目のディラントーマスはスタートに失敗、後方2番手からレースを進める羽目に。直線もモタモタ。見せ場すらない7着と、欧州年度代表馬らしからぬレース振りで期待を大きく裏切った。レース後、同馬を管理するA.オブライエン調教師は、検疫中に風邪を引いて仕上げきれず、馬体も太かったと敗因を語っている。
ディラントーマスはこの1戦で引退、来年から種牡馬生活に入る予定になっている。
勝ったドクターディーノは、スタート直後は3番手。ところが徐々にポジションを下げ、直線を向いたときにはディラントーマスと並ぶくらいの後方まで下がっていた。しかし、そこからペリエ騎手が追い出すと末脚が爆発、他馬を一気に飲み込んだ。
1馬身半差の2着にはキハノ Quijano、3着にはブッソーニ Bussoniと、いずれもドイツ調教馬が入った。
素晴らしい判断を見せたオリビエ・ペリエ騎手だったが、直線で馬を持ち出す際にディラントーマスの進路を妨害したとされ、4万香港ドル(約60万円)の罰金と、19日までの騎乗停止という処分に。残念ながら100点満点とはいかなかった。このため、今週末はJRAでも騎乗できないことになる。
ちなみに、ディラントーマスのムルタ騎手は「確かに不利はあったが、いずれにせよ脚もなかった」と語っており、直線の不利が今回の直接の敗因ではないとしている。
勝ったドクターディーノは父ムータティールGB、母ロジカ Logica(母の父プリオロ Priolo)という血統の仏国産馬。しかもフランス調教馬で、ご存知の通り鞍上のペリエ騎手もフランス人だが、実は調教師のリチャード・ギブソン師は英国人である。
ドクターディーノは通算23戦7勝。2歳7月にフランスでデビュー。10月のG3コンデ賞で2着するなど、早い時期からその素質の片鱗を見せてはいたが、初重賞制覇はキャリア16戦目、4歳10月のG3アンドレバボワン賞と、本格化までは少々時間を要した。
5歳となった今季は、スタートから3着が3回続いた。初戦のG1ガネー賞が3着。シンガポールに遠征してG1シンガポール航空国際カップでシャドウゲイト、コスモバルクに続く3着。アメリカに転戦したものの、G1アーリントンミリオンではやはり3着だった。
善戦はするも勝利に届かないという歯がゆさを感じさせていたが、4戦目(米遠征2戦目)のG1マンノウォーSでようやく1着。初G1タイトルをモノにした。
これできっかけを掴んだかと思われたが、続く前走G1英チャンピオンSでまたも3着。安定感はあるものの、勝ちきれないキャラクターが定着しつつあったドクターディーノだったが、ここはペリエ騎手の手腕もあって、G1・2勝目を挙げることに成功した。


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