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ベルモントS優勝馬ジャジルが引退

現地時間9月4日、昨年の米G1ベルモントSを制したジャジル Jazil(牡4、米K.マクラフリン厩舎)の引退が発表された。来年からケンタッキー州シャドウェルファームで種牡馬として供用される。種付け料は1万2500ドル(約140万円)。
ジャジルは父シーキングザゴールド Seeking The Gold、母ベターザンオナー Better Than Honour(母の父デピュティミニスター Deputy Minister)という血統の米国産馬で、通算11戦2勝(うちG1・1勝)。
2歳10月にデビュー(6着)し、12月の3戦目で初勝利。3歳4月のG1ウッドメモリアルSで2着して頭角を現し、続くG1ケンタッキーダービーでも4着に食い込んだ(勝ち馬はバルバロ Barbaro)。
G1プリークネスSをパスして臨んだG1ベルモントSでは、最後方から大外をヒトマクリ。ブルーグラスキャット Bluegrass Cat(直後にG1ハスケル招待H優勝)以下を一蹴した。
その後は管骨を傷め、本来の能力を発揮できず勝ち星なし。今年4月のG3エルクホーンSでは芝も試されたが、後方のまま殿り負けを喫し、これが最後のレースとなった。
ジャジルは世界有数の名牝系の出身。母がG2デモワゼルS勝ち馬、祖母ブラッシュウィズプライド Blush with Pride はG1ケンタッキーオークス勝ち馬で、近親にはエルグランセニョール El Gran Senor(G1愛ダービーなどG1・3勝)、トライマイベストUSA(G1デューハーストS)兄弟をはじめ活躍馬が目白押しだ。
実は今年に入ってこのファミリーは絶好調。ジャジルの半妹のラグズトゥリッチズ Rags to Riches(父エーピーインディ A.P. Indy)がG1ベルモントSで兄妹制覇を達成、いとこのピーピングフォーン Peeping Fawn も欧州でG1・4連勝中だ。
さらに、今季重賞3連勝で独G1ラインラントポカルを制したサデクス Saddex もこの牝系の流れを組む一頭。日本では、昨年のエリザベス女王杯勝ち馬フサイチパンドラが先日札幌記念で復活Vを挙げている。
ジャジルは現役時代、結局メイドンの初勝利とG1ベルモントSの2勝しか挙げられなかったが、血統面からはサイアーとしてかかる期待は決して小さいものではないだろう。
なお、同スタッドで同様に来年から種牡馬デビューとなる昨年の米年度代表馬インヴァソール Invasor の種付け料も合わせて発表。3万5000ドル(約400万円)と、実績に比してリーズナブルな値段になっている。


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