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豪でも馬インフルエンザ流行(6日)

9月5日現在、オーストラリアの馬インフルエンザ禍はまだ続いており、競馬界のみならず国全体としての懸命な取り組みが続いている。
今回最も被害が大きい東南部のニューサウスウェールズ州では、4日の公式発表で感染馬の数が1000頭を超えている。競走馬の感染もさることながら、競馬以外の用途で供されている乗馬などへの被害が特に大きいと報じられている。
同州シドニーにあるランドウィック競馬場では感染馬が多数確認されたため、2カ月の閉鎖となることが発表された。重賞レースが複数行われる予定だったスプリング・カーニバル開催も中止、関係者は大打撃をこうむっている。
ニューサウスウェールズ州と南に州境を接する北東部のクイーンズランド州でも、乗馬に感染馬が発見されているが、ニューサウスウェールズ州ほどの被害は出ておらず、競馬場及び付随するトレーニング施設には及んでいない模様。
この両州では依然として厳しい移動制限が行われている。州境には警備を配しており、許可のない馬の出入りは禁止。厳重な警戒態勢が敷かれており、違反者には禁固、罰金刑が課されることになっている。
両州とも来週までに競馬自体は再開させると発表している。ただし、出走馬は競馬場施設内の馬に限定。特に9月8日に開催が予定されているニューサウスウェールズ州のウォリックファーム競馬場では、観客さえ入れない「ファントム・レース」(=幻のレース)になる、と報じられている。
この両州以外での馬インフルエンザ感染馬は今現在も確認されておらず、国全体への拡がりはどうやら避けられそうな情勢だ。
G1メルボルンカップが行われるフレミントン競馬場がある南東部のヴィクトリア州をはじめ、感染馬が確認されていない他州では、先週末から各々競馬が再開され、馬の移動制限も徐々に緩和の方向に向かいつつある。
もちろん、いずれの州でもニューサウスウェールズ・クイーンズランド両州から許可なく馬を移動させてくることに関しては、現状固く禁じられている。
また、馬インフルエンザの影響で、予定されていた06/07シーズンの年度代表馬発表や、マジックミリオンズ社が10月に予定していたセリも延期されている。
シャトル種牡馬の検疫期間も当然延長されている。今回の騒動の震源地とされているニューサウスウェールズ州シドニーのイースタンクリーク検疫所では、新たな感染馬(7頭目と報じられている)がシャトル種牡馬の中に見つかっている。いつ検疫が終了するかのメドは立っていない。
莫大な経済的損失も生まれている。馬券の売上もさることながら、競馬開催に伴う雇用なども含まれ、現時点ではその規模を推し量りようもないが、一部では数10億豪ドル(10億豪ドル=約950億円)規模とも言われている。


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