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ファニーサイドがついに引退

現地時間7月13日、03年のケンタッキーダービー馬ファニーサイド Funny Cide(セン7)がついに引退することが明らかになった。同馬を管理するB.タグ調教師が明らかにしたもの。
ファニーサイドは父ディストーティドヒューマー Distorted Humor、母ベルズグッドサイド Belle's Good Cide(母の父スルーアサイド Slewacide)という血統のニューヨーク州産馬。
01年サラトガ8月セールで2万2000ドル(約260万円)で落札された後、その資質を見抜いたB.タグ師が、サラトガでヘルスケアのコンサルタント業を営むジャック・ノールトン氏を中心とした幼馴染みなど10名で構成される共有馬主組織・サッカトガステーブルのために7万5000ドル(約900万円)という廉価で庭先購買した。
2歳9月のデビューから3連勝。翌3歳時はG3ホーリーブルS5着、G2ルイジアナダービー2着(3位入線繰り上がり)、G1ウッドメモリアルS2着を経て、G1ケンタッキーダービーに。7番人気の低評価ながらエンパイアメーカー Empire Maker に1-3/4馬身差をつけて優勝し、ニューヨーク産馬として史上初めてケンタッキーダービー馬の栄冠に輝いた。
続くG1プリークネスSでは2着のミッドウェイロード Midway Road に9-3/4馬身という大差で圧勝。その出自の親しみやすさ(廉価馬であったこと、オーナーグループがごく普通の中流階級の集まりであったこと)もあって、一躍アイドルホースとなった。三冠が掛かったG1ベルモントS当日は10万人以上が競馬場に詰め掛けたが、エンパイアメーカーに屈して3着に敗れ、大観衆のため息を誘った。
4歳時にはG1ジョッキークラブゴールドCも制したファニーサイドは、セン馬で種牡馬入りは不可能なため、その後もひたすら走り続けた。しかし、最近ではなかなか勝利に恵まれず、年齢的な衰えもあり、2冠馬の威光も失われつつあった。
7月4日、ファニーサイドは勝利を求め、決してメジャーとはいえないニューヨーク州フィンガーレイクス競馬場へ。ノングレードのウォズワース記念Hに出走した。当地のファンは、かつての二冠馬を単勝2.0倍の1番人気で暖かく出迎え、これに応えてファニーサイドは3馬身差で完勝。通算11勝目を挙げた。
そしてレースから9日後の13日、B.タグ調教師は「まだやれるが、この辺がいい潮時だろう」と語り、ファニーサイドの引退が発表された。
ニューヨーク州競馬協会ではファニーサイドの功績を讃え、8月10日にニューヨーク州サラトガ競馬場で「ファニーサイド・デイ」と銘打って、イヴェントを開催することを発表している。詳細は未定だが、パドックの周回、直線でキャンター披露など、いわゆる「引退式」の形になりそうだ。


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