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セレクトセール、3日間で121億円を売り上げ

JRHA日本競走馬協会主催のセリ、「セレクトセール2007」が7月9、10、11日の3日間、苫小牧市のノーザンホースパーク特設会場で開催された。9日のサラブレッド1歳市場、10、11日のサラブレッド当歳市場に合わせて467頭が上場され、348頭が売却。売却総額は121億5574万5000円(税込。以下同様)と前年を若干下回ったが、2年連続で100億円を突破。売却率は74.52%と前年を4.16ポイント上回り、盛況のうちに幕を閉じた。
9日の1歳市場では150頭が上場され、108頭が売却。売却総額は34億4862万円で、昨年より1億3000万円ほど減少したが、売却率は昨年を約6ポイント上回る72.00%を記録した。
最高価格は、半兄にアドマイヤムーン(G1ドバイデューティフリー)を持つマイケイティーズの2006(牡、父フレンチデピュティ、販売申込者/安平町・(有)ノーザンレーシング)で2億6250万円。アドマイヤムーンのオーナーである近藤利一氏によって落札された。以下、エアグルーヴの2006(牡、父ダンスインザダーク)が2億5725万円、エヴリウィスパーの2006(牡、父ジャングルポケット)が1億7850万円、フサイチエアデールの2006(牡、父クロフネ)が1億4700万円と続いた。
1998年、昨年に続き、3回目の開催となった1歳セール。今年は欧米のセールに倣い比較展示を廃止し、セリ当日を含め3日間の下見期間を設けた。販売申込者も各自でテントを構えるなどの工夫を凝らし購買者に応対。また、昨年から設置されたレポジトリー(情報開示室)にも多くの関係者が訪れていた。マイケイティーズの2006を含め、上場馬33頭を完売したノーザンファームの吉田勝己代表は「活気があって凄く良いセリでした。申し込みの少なかった日高の馬も売れていましたので、これからは申し込みが増えてくるのでは」と1歳セールが定着することを期待していた。
10、11日の当歳市場は317頭が上場され、240頭が売却された。売却総額は87億712万5000円で売却率は75.71%。1歳セール同様、総額は微減だったが売却率はアップした。
当歳の最高価格馬も1歳と同じく、アドマイヤムーンの半弟に当たるマイケイティーズの2007(牡、父クロフネ、販売申込者/安平町・(有)ノーザンレーシング)。こちらも近藤利一氏が3億1500万円で競り落とした。「ムーンの兄弟でドバイワールドCを勝ちたいね」と夢を広げた近藤氏は、3日間で22頭(1歳3頭、当歳19頭)を総額14億1277万5000円で購買。堂々とトップバイヤーになった。
ほかに“ミリオンホース”は8頭誕生。ラインクラフトの半弟マストビーラヴドの2007(牡、父キングカメハメハ)、フサイチエアデールの半弟ラスティックベルの2007(牡、父アグネスタキオン)の2頭が1億6275万円、フサイチリシャールの全弟フサイチエアデールの2007(牡、父クロフネ)が1億4175万円と続いた。また、今年の当歳が初年度産駒となるゼンノロブロイ、デュランダル、ロージズインメイも高評価を得た。
セール終了後、吉田照哉JRHA会長代行は「バイヤーの層が厚く、複数頭買う方が多かった。血統よりも個体の良さで競り上がった馬が多かった。良い馬を出せば売れることが証明されたので、生産者も安心して優秀な繁殖を導入するという投資ができるのでは」と総括。98年にセールが開設され、今年で10回目を迎えたセレクトセールが、日本のマーケットシーンに完全に根付いたことを実感していた。来年はディープインパクトの初年度産駒が上場予定。「皆から注目される“ディープ・イヤー”になるでしょう。トップの繁殖に付いていますから楽しみ」と“ディープ2世”の登場でさらなる飛躍を確信していた。


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