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牝馬ラグズトゥリッチズがベルモントS制覇

現地時間6月9日、米ニューヨーク州ベルモントパーク競馬場で米三冠の最終戦・G1ベルモントS(ダ12ハロン、3歳、7頭)が行われ、J.ヴェラスケス騎手が手綱を取った単勝5.3倍の2番人気馬ラグズトゥリッチズ Rags to Riches(牝3)が、G1プリークネスSを制したカーリン Curlin との叩き合いを制して優勝。1905年のターニャ Tanya 以来102年ぶり史上3頭目の牝馬によるG1ベルモントS制覇を達成した。勝ち時計は2分28秒74、馬場状態は Fast(速)だった。
ラグズトゥリッチズはスタートで躓いたものの致命的なロスとはならず、向正面入口では好位5番手に。ハードスパン Hard Spun(G1ケンタッキーダービー2着、G1プリークネスS3着)、カーリン Curlin(G1ケンタッキーダービー3着、G1プリークネスS1着)の2強を視野に入れながらレースを進めた。
レースを先導したスルーズティジー Slew's Tizzy、シーピーウエスト C P West はホームストレッチを待たずにズルズル後退。3番手につけていたハードスパンも手応えが鈍く、外を回ってラグズトゥリッチズが先頭に。さらに、インから進出したカーリンがラグズトゥリッチズの内に馬体を合わせ、直線は2頭のマッチレースとなった。
300m強の直線を一杯に使った叩き合いは、ラグズトゥリッチズに軍配。カーリンも決して脚が上がったというわけではなかったが、最後はラグズトゥリッチズの牝馬らしからぬ勝負根性に屈した形となった。3着には後方から脚を伸ばしたG1サンタアニタダービーの覇者ティアゴ Tiago が入り、ハードスパンは4着に敗れている。
ラグズトゥリッチズは父エーピーインディ A.P. Indy、母ベターザンオナー Better Than Honour(母の父デピュティミニスター Deputy Minister)の米国産馬。父エーピーインディは92年に、半兄ジャジル Jazil(父シーキングザゴールド Seeking the Gold)は昨年のG1ベルモントSを制しており、父娘&兄妹制覇となった。
ラグズトゥリッチズは通算6戦5勝で、G1ラスヴァージネスS、G1サンタアニタオークス、G1ケンタッキーオークスと、3歳牝馬G1・3連勝に続いてここも優勝。北米ベスト3歳牝馬の座は確実で、早くも年度代表馬に推す声すら上がっている。
ラグズトゥリッチズを管理するT.プレッチャー調教師は、獲得賞金ベースで04年から3年連続米リーディングトレーナーに輝いている(07年も首位・6/10現在)が、米三冠はこれが初勝利。思いがけない牝馬でのタイトル奪取となった。
牡馬相手に素晴らしい競馬を見せたことで、これから先のラグズトゥリッチズの選択肢は一気に広がった。現在のところ、同世代の牝馬相手となるG1CCAオークス(7/21、米ベルモント、ダ10f)を経由して、G1トラヴァーズS(8/25、米サラトガ、ダ10f)で再び牡馬と対決するプランが検討されている。


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